ホメオスタシス homeostasis

By | 2014年12月16日

生体の内部環境は、生理学的な協調反応により、その恒常状態が維持されている。

体温を調節する発汗作用、血中の水素イオン濃度の制御など、その例は数限りない。

このような生命維持に不可欠な動的平衡状態は、米国の生理学者キャノン,W.B(Cannon,W.B)によってホメオスタシスと名づけられ、今日、とくに心身医学においては、生体の適応の問題を考える場合の基本概念になっている。

ゲシュタルト療法の創始者パールズ,Fはホメオスタシスを生体が欲求を充足させる過程としてとらえ、その働きは自己調節の過程(生体が外界と関わることを可能にさせている過程)である、と考えた。

また、彼は生理的ホメオスタシスと平行して、人には心理的ホメオスタシスの過程が作用していることを明らかにしている。

人は心理的に接触していたいという「コンタクト欲求」を持っており、心理的平衡が脅かされるときに感じられる。
この心理的欲求は、心理的ホメオスタシスの過程によって充足される、という説を提唱している。

これは交流分析の理論の一つであるストロークの欲求と通じるものである。
これらの生理・心理的ホメオスタシスの考え方は、交流分析・ゲシュタルト療法を行なううえでの基礎理論になっている。

→ゲシュタルト療法